タイプによって、PSE と PD の機能に違いがある。タイプとクラスの関係は「図1 クラス別給電」と「表1 タイプ別クラスサポート」を、PSE タイプの概要は「表2 PSE タイプ概要」、PD タイプの概要は「表3 PD タイプ概要」をご覧いただきたい。タイプ1 とタイプ2 PSE は、2ペアのみで電力を供給する。タイプ3 PSE はクラス1~4 の範囲では 2ペアまたは 4ペアで電力を供給し、クラス5~6 では常に 4ペアで給電を行う。この辺りは、従来規格との互換性をとるために少し複雑だ。タイプ4 PSE は常に 4ペアで電力を供給し、クラス8 までサポートしている。
PSE は各タイプの最高クラスをサポートできない場合がある。例えば、タイプ4 PSE は、クラス7 はサポートするが、クラス8 をサポートしない場合もある。また、PSE はより低いクラスは全てサポートする必要がある。例えば、タイプ2 PSE はクラス4 をサポートすると同時に、クラス1~3 もサポートしなければならない。
表1 タイプ別クラスサポート
表2 PSE タイプ概要
表3 PD タイプ概要
802.3bt 構成機器
PSE
PSE は電力を供給し、PD は電力を消費する。PSE は PD の特性を調べ(シグネチャ処理)、適切であれば給電を行い不適切であれば電力を供給しない。この処理を適切に行うためには、プロッセッサ等が PoE プロセスを制御する必要がある。シグネチャ処理の基本的な考え方は、 PD が PoE 規格への適合を示す 25KΩ抵抗を実装していることを PSE が確認することだ。 PSE が適正な PD か否かを判断する「シグネチャ処理」は次のような手順だ。「図2 PSE 回路例」は、Alternative A の PSE 給電回路例だ。